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植物の病気対策


これからの季節悩まされる植物の病気。

[1] 病害虫を大量発生させないために

[2] 見つけた時はどうすればいいのかという事をご紹介していきます。

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[1] 病害虫を大量発生させないために
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病害虫を呼び寄せてしまう多くの要因は、風通しの悪さです。
生長に伴い、密集した植物に病原菌が付着すると、雨風で流される事もなく、定着し病気を呼び起こします。

【対策は…】
虫の生態を知ることで事前に対策出来ることも。
剪定をして、風通しをよくしておくこと。
毎年5月下旬~6月に、計画的な剪定スケジュールを組んでおくことをお勧めします。

【虫の生態…】
今回はアブラムシの生態について
アブラムシは、セミの仲間であり、その他にカイガラ虫、カメムシなどがいます。
春になると卵から一番最初に産まれるのが【幹母】メスが産まれてきます。
その幹母が産む子供は既に卵をもったメスであり、子と共に孫まで生んでしまうような状況です。
短い寿命を持っているため、彼女たちの繁殖サイクルは迅速で、一つの植物に寄生するアブラムシの数が急速に増加することがあります。
春から夏に見かけるアブラムシたちはメスという事になります。
この小さな害虫は、植物の上でほとんど移動せず、集団で植物の養分を吸いながら生きています。増えすぎてしまうと食べるものがなくなる為、他の植物にも移動が出来るようにメスは今度、翅がついた子供を産みます。
そしてアブラムシは寒さに弱いため、冬を越せずに死んでしまう種類もいれば、色んな工夫をして冬越しをする種類もいます。
秋ごろになるとメスだけを産んでいたアブラムシが、環境の変化、または遺伝的な変異などがある場合はオスを産み、翅のないメスが現れこれらは交尾をしてメスの卵を産みます。
この卵が越冬して春に孵化すると、また単為生殖で子供を産むメスになります。このように、晩秋の一時期だけ、越冬卵を産むための雌雄が発生することになります。
日本だけでも700種類以上生息しているといわれていますが、生態も色々でとても不思議な生き物です。
アブラムシは天敵が多くどんどん捕食されまたは駆除され、1ヶ月もしないうちに死んでしまいます。一時的に数は減っても、なんらかの方法でアブラムシたちはすぐに増えます。
アブラムシの排泄物(甘露)は、アリが好む美味しい食べ物であり、アリはアブラムシの周りに集まってこれを摂取します。
その代わりに力持ちのアリはアブラムシを保護し、天敵から守ります。対策をしても完全にいなくなるということは難しいですが、アリが植物に沢山いたらそこに何かあると思った方がいいかもしれません。


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[2] 見つけた時はどうすればいいのか
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ここからは、ご相談でよく頂く病気別の対策を一部お伝えします。

■すす病
<症状>
葉や幹などが、徐々に黒い粉(カビの胞子)で覆われる病気。
落ちた黒い粉で地面も黒ずむ場合も。
<病原>
カイガラムシやアブラムシの排泄物(甘露)につくカビ
<対策>
カイガラムシやアブラムシを寄せ付けない事が根治に繋がります。
歯ブラシや流水(シャワーなど)で、虫やすす、甘露を流してあげるのが◎

■黒点病
<症状>
葉に黒い点々が付き、やがて黄色くなり、落葉する。
<病原>
糸状菌と呼ばれるカビ
<対策>
感染していくため落ち葉は完全に掃除をし、水やりも根本にあげるなど、感染を広げない事が大事です。

■カイガラムシ、アブラムシ類
種類により体全体に物質をまとい、薬剤をはじく特性を持っている、薬剤防除が難しい虫たち。
手袋をして取ったり、使い古しの歯ブラシで擦るのが簡単で、確実です。
特にコナカイガラムシは、1匹で数百個の卵を卵塊として産むと言われています。

薬剤の使用は、防除に使った薬剤の影響で、別の虫がやってきやすい環境を自ら作ってしまう事もあります。
駆除したい虫の天敵保護も考慮し、必要性の低い殺虫剤の使用を控え、生物のサイクルを回せる環境づくりが一番ですね。