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松枯れ。
長野県の中信エリアでも、松枯れが目につくようになりました。
アカマツの根本に生える秋の味覚「松茸」も採れづらくなってしまいます。
話は反れますが、松茸は、松が根から養分を吸収するのを助ける代わりに、松から炭水化物をもらって成長しています。
共存共栄のサイクルが出来上がっている関係性です。
この松枯れ。
マツノザイセンチュウという線虫が松の体内に入り、約2か月という速さで松を枯らし始めます。
まず、1~2週間でマツヤニが出なくなり、さらに水分の蒸散も止まり、1ヶ月半~2ヶ月で松葉がしおれます。
マツノザイセンチュウが発見されたのは、1970年頃の事。
それ以前は、カミキリムシ類やゾウリムシ類が「松くい虫」と呼ばれ、松枯れの主な原因と考えられていたそうです。
自分で自由に飛び回る事ができないマツノザイセンチュウは、マツノマダラカミキリを媒介にし、若い松へと乗り移っていきます。
マツノマダラカミキリは、若い松の枝の樹皮が好物。
空を飛んで次から次へと食べ歩きます。
マツノマダラカミキリの中にいるマツノザイセンチュウは、移動するマツノマダラカミキリが食べた際に付ける、細かな痕から元気な松の体内に乗り移ります。
そして、松の木にダメージを与えるのです。
一方、マツノマダラカミキリは、マツノザイセンチュウが弱わらせる松の木に卵を産み、幼虫は松の内樹皮を食べて育つ間に、再びセンチュウが乗り移る…というサイクルになっています。
この、マツノザイセンチュウは、北アメリカから日本に入ってきました。
しかし、北アメリカでは松の木を枯らすまでには至っていないそうです。
これは、長い年月をかけて松とセンチュウの関係ができあがった事が理由との事。
まだマツノザイセンチュウとの日が浅い、 日本のアカマツやクロマツは、まだ共存共栄の関係が出来上がっておらず、松が多量に枯れてしまう。といった環境問題へと発展してしまっているのだそうです。
農薬等は、その他の動植物への影響もあり、なかなか踏み切れないという事があるそうです。
山を見ると、一区画だけがゴッソリ枯れている山が良く見えます。
近い未来、解決される事を願うばかりです。
柏原