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地面と向き合う
今日は自分一人で、年間管理をさせて頂いている塩尻市のK様邸にメンテナンスに行きました!
まず、庭の苔をツグミという鳥の被害から守る為に、冬季期間中養生しておいた寒冷紗を外し、それから落ち葉掃除です。
それが終ると次に細かい雑草や細かい針葉樹の葉を素手で広い集めます。
お客様の要望は至ってシンプル。
〈塵一つ残さないでくれ〉
少し前までは施主様一人でこの庭の掃除を定期的に行っていました。
若い頃、この庭の草むしりをさせて頂いている時、間違って山野草を抜いてしまい、お施主様をブチ切れさせてしまった事があります。
地面と向き合う事の大切さはこの庭を通し毎年勉強させて頂いています。
お庭好きな方は是非ご自宅のお庭、地面を毎年御自身で綺麗にしてみて下さい。
そこには驚くべき自然の原理が垣間見えます。
言葉では上手く説明出来ませんが、毎年続けて見ればきっと人生変わる気がします。
草むしりや掃除に追われるのではなく追う。
色々な考えが生まれます、この草は残そうとか、この落ち葉は腐葉土にして埋め戻そうとか、一年で命を終わらす虫達の死骸を見て思いふけったり、かと思えば大きな木の下からこぼれた種が新しい命を育んでいるのを見て感動したり、 自然と共存共栄する人間の本能が少しずつ覚醒されるのです。
メンテナンスフリーが求められる現代ですが、はっきり言って庭造りの一番の楽しみはメンテナンスにあると思われます。
勿論、プロに任せなければいけない部分もありますが、お客様にはメンテナンスを覚えいってもらいたいのが本音です。
私の様な若輩者の半端な庭屋が言うのもなんですが、これからの時代、庭職人や緑を扱う人達は、勿論技術や基礎知識の継承も大事ですが、もっと大事な事を伝えていかなければいけない気がします。
その部分を怠ってきたから現代の様に庭は好きだけど手入れは嫌だと言うのが当たり前の世の中になってしまったのではないのでしょうか?
変化の大きい世の中だけに難しい気もしますが、自分が実感しているだけにこの思いは持ち続けて行きます!
庭はあなたにとってかけがえのない空間なのです。