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勉強会
昨日、東京にて庭園技術連続基礎講座を受けてまいりました。
午前中は東京江東区にある清澄庭園にて、上野周三先生と、犬塚修二先生の講座がありました。
自然風な庭園の設計上の原則の簡単な説明。
1 非対称形式の庭園において配置、配色の重点を作る
2 気勢に留意する=エネルギーの方向
3 空間を意識しその美的な扱いに留意する=余白や余韻
4 美の表現形式に留意する
5 非整形の構成手法として伝承されている事
6 遠近感をできるだけ協調する
7 フレームを利用する=額縁・枠構え
8 暗示による心理的効果を利用する
9 テクスチャーに注意する=質感
10 スカイライン=高木と空の線
11 アイストップと注目点
12 庭園と建物の公道上からの外観に留意する
13 整形式不正形式の交雑
これは作庭家小形研三先生の作庭哲学から抜粋しています。
自然風景を基軸とする日本の庭造りでも、ただ雑木を植えたり、野草や自然石を配するだけでは駄目で、そこに自分の創意や哲学を加える事によりフレッシュな感覚で自然を表現出来るのだと言う事です。
一番引っかかったのは、「作者の強い意」これが一番大切だと言う事です。
続いて午後からは、東京足立区にある小形研三氏監修の東渕江庭園にて実地見学実習が行われました。
この庭は区民のレクレーションの場にするというコンセプトがある為、池泉回遊式(池を取り囲み園路を歩く)の設計になっています。今回は小形先生のお弟子様であった犬塚修二先生に庭の解説をして頂きました。
庭の重心となる博物館からの眺め、狭い庭を広く見せる為、庭の中心に「ビスタ」がつき抜け、スカイラインを強調します。
コナラやモミジ等の植栽は庭に気勢を出す為、いたる所に植えられており、躍動感溢れる景を演出してました。
圧迫感のある築地塀に負けない存在感のある、手水鉢と灯篭。
主に丹波石を用いた園路、切石や延べ段は非常にリズミカルで見ていても歩いていても楽しいですね。
園路の途中にある主張し過ぎない小滝、石組みは筑波石を用いています。
滝組は石の使い方で大きく変化をしてしまうそうです。
茶室からの蹲の眺め。遠近方を大切にしている小形さんは特に茶室からの眺めにこだわったみたいです。
比較的に近くに蹲がありますが、先生曰く抜群の位置。
現代で言うデッキからの眺めです。非常に美しい眺めです。
しかし、このデッキ、違う方から見ると少しゴツいようです。
区民のレクレーションの場というコンセプトから、小形先生は妥協せざるを得なかったとか・・・
いや~しかし勉強になりました。総合的な感想を言うとこの庭は遠く離れて見ると静寂を保っており、中に入り歩き出すと躍動感が出てくる、という感じです。
細かい部分全てに意図があり、それが全て繋がっているんですね。
まだまだお伝えしたい事は沢山ありますが、後は是非見て頂きたいですね~。
上野講師、犬塚講師をはじめとる庭園協会の皆様本当に勉強になりました~。ありがとうございました。
次回の勉強会は横浜の三渓園です、頑張ります。